パザ日誌

コラムというほど大袈裟でなく、日記というほど更新もできない。
ただ、pazapのメンバーが思ったことを書き綴るページです。


2003年12月10日(水曜日)----すぎもと

ニョロニョロニョロニョロ

昨日、寝る前からちょっとヤバいかなぁ……と思ってたんですが、今朝起きたら……というか、起きられませんでした。腰痛です。とっても痛いです。金曜日にドラム道場のレコーディングがあるのですが、このままだと叩けないかも(苦笑)。ちくしょう。

まぁ、それはいいとして(ほんとは良くないんですが……)、月曜日にNHK教育の「 ドレミノテレビ」を録画し忘れてたので、今日は忘れない様にヴィデオに取りました。これは、二〇〇三年十一月十八日のパザ日誌に次の様に書いてたものです。

テレビといえば、NHKのピタゴラスイッチにそんな人まで登場するのか! すごいぞNHK!!! っていう噂話を某所で偶然立ち聞きしたんですが、これはとっても楽しみです。何を回すんだろ?

「ピラゴラスイッチ」って書いてたんですが、実は「ドレミノテレビ」だったのですね。「まわす」っていうのがテーマで、大友良英さんがターンテーブルを回してたと、そういう事です。何回かこの番組は見た事があるんですが、こういう番組にUAを起用するっていう所が、最近の NHKの凄い所ですね。一昔前なら、こういう歌い方をする人を、こういう子供番組に起用して、しかも大友さんがターンテーブルを回すなんて考えられない事なんでしょうね。選曲も珍しいキノコ舞踏団の振り付けも素晴らしいですし、なんといっても「ドレミミズンド」っていう曲が素晴らしいですね。

ちなみに今回の放送はあと二回。来週の月曜日と水曜日に見る事が出来るそうです。


2003年12月09日(火曜日)----すぎもと

仏の顔も三度まで

ニュースを見てて思ったのは、「人道支援」を東北弁で言えば「ずんどうすえん」という様な発音になるのか? という事です。もっとも、これは東北弁というものに対する認識不足、勉強不足の上にビタミン不足が重なって、大変失礼な発言やも知れませんです。すみません。

いやいや、根本的な所で違ってました。そういう事を思ったんじゃなくてですね、公明党は……というか、創価学会(員)は不幸な事になってるなぁと思ったですよ。公明党に対して「政教分離」という観点から文句を言う人がいたりしますが、その辺りは問題じゃないですね。一番の問題は今回の様に、「平和」という事を大切に考えてるであろう創価学会と、連立与党の一党として自衛隊の派遣を了解せざるを得ない公明党との関係ですね。明らかに矛盾するんですよね。これは当たり前なんです。そもそもコンセンサスによって成り立ってる政治と、絶対的な真理によって成り立ってる宗教が矛盾してしまうのは当たり前でしょ? 死刑制度の問題を考えればよく分りますよね。政治と宗教は水と油みたいなものです。だから釈迦も政治には近づかなかったんです。

釈迦の出身地である釈迦国を滅ぼす為に進む兵の前で二度、無言の圧力をかけたという有名なエピソードがありますが、三度目には兵は釈迦を横目に進んで、実際に釈迦国を滅ぼしました(この話から「仏の顔も三度まで」って言われるのだそうです)。結局、釈迦に止める力が無かったんではなくて、積極的に関与するのを避けたんですね。これ、釈迦が直接に兵を止めたとしても、兵が釈迦を無視できなくて進めなくても、どちらも政治・宗教の立場として無能でアホなのかもしれません。政治と宗教の関係をよく表してるエピソードですよね。


2003年12月09日(火曜日)----すぎもと

徳島ロケ二連発

水戸黄門が最終回。そんな事知らなかったんで、なんかいきなり終わった感じでショックでした。オープニングの歌の時に「丹波哲郎」という名前があったので、ひょっとして……と思ったんですが、ビックリです。まぁ、それでも金曜日には特番があるし、来週は久しぶりに「うっかり八兵衛」も登場する、三時間の1000回スペシャルがあるので楽しみにしときましょう。

そういえば、来週の1000回スペシャルでは鳴門のロケがあったのだとか。 徳島県ロケーション・サービスというサイトで知りました。このサイトは、映画やテレビ番組、それにCMなんかのロケを検討している所に、そういう情報を発信しているサイトらしいです。最近では自治体自体が映画のロケとかを積極的に売り込む所が増えてきましたですね。まぁボクはべつにロケを検討してるようなヤツじゃないんですが、思わず「ロケーションライブラリー」で故郷の景色を見ながら、懐かしんだりしてました。

とにかく、来週は月曜日(水戸黄門)、火曜日(俺たちの旅)と徳島ロケ二連発なので、楽しみであります。なんか、ここ暫く風邪が長引いてたせいで、すっかりテレビっ子って感じです。あれだけ本読んでたのが嘘のようです。最近読んだのは、「レストアストア」で買った松本零士の漫画「魔女天使」(松本零士:著/講談社漫画文庫/ISBN4-06-260642-9)くらいなものです。

そういえば ajukiさんも「レストアストア」へ行かれたのだとか。ボクが行った時はジャズのスタンダード曲がいい感じに流れてて、そんなにうるさくなかったんですが、店員さんの好みで変わるんですかね? ゲームには興味無いので、ゲーム・コーナーへは行ってないのですが。ajukiさんの日記(2003-12-6)読んで、ボクも「キダタローのすべて」が聴いてみたくなったので、どこかで見つけたら買ってみようっと。Amazonで「現在、在庫切れです」って事は、多分廃盤とかでしょうから、中古探すしかなさそうですね。

そうそう、Queenといえば、 ちょっと前にウチの前をフレディ・マーキュリーが通っていったんですが(笑)。


2003年12月07日(日曜日)----すぎもと

和製ミュージカル映画三連発

昨日の分からの続きです。

大阪から京都駅に到着したのが午後十一時十五分頃。ちょうど映画の開演時間でした。こりゃ、急いでたら間に合ったのかも……とか思いながら、八条口の出口が閉まってたので、奈良線のホームを経由して近鉄に乗り換え。 京都みなみ会館という映画館の最寄り駅である「東寺」駅までは、ひと駅だけなのですぐに着くのでした。駅からみなみ会館までの間にあるローソンで、ポカリスエットのペットボトルとおにぎり、それからリポビタンDを購入。これから徹夜で映画を観るので、眠らないようにと思ったんですが、栄養ドリンクにそういう効果があるのか全然分らないまま、まぁ気分の問題さ……ってな感じでグイとひと飲みして、みなみ会館の階段を駆け上がりました。今日のオールナイト企画はこういうもの……。

「Singin'All Night 唄ってしゃべって夜明けまで」
  • 映画『鴛鴦歌合戦』(1939/日活京都)上映
  • 対談:ゲイリー芦屋・蓮実重臣
  • 映画『アスファルトガール』(1964/大映)上映
  • 岸野雄一「歌う映画講座」
  • 映画『君も出世ができる』(1964/東宝)上映
  • クロストーク:岸野雄一&ゲイリー芦屋&蓮実重臣

約三十分遅れで開場に入ったら、当たり前ですが、すでに一本目が始まってました。マキノ正博監督が昭和十四年に撮った「鴛鴦歌合戦」という、一部ではカルト的な人気もある和製オペレッタ映画だそうです。途中から入ったっていうのと、開場の暗さに目が慣れないので、席には着かずに一番後ろで立ったまま鑑賞。昭和十四年なんていう微妙な時期に、こういう映画が作られていたというのにまづ驚きでした。しかも、トラブルから急遽四日間で脚本・作詞・作曲をされたのだとか。それはホントに凄いですね。後のゲイリーさんと蓮実さんの対談でもおっしゃってましたが、普通に聴いてたら日本的な歌とかだったりするんですが、内容はまさしく洋楽です。ボクも実際に映画見ながら、そう思ってました。ジャズっぽいのやらラテンっぽいのやらがあって、かなり驚きました。

後ろで立ってみてて、映画が終わって客電がついたので席を探しに移動する時に、岸野さんとすれ違ったのですが、その瞬間に岸野さんが「いいなぁ……」としみじみとつぶやいていたのが印象的でした。ゲイリーさんと蓮実さんの対談は、「鴛鴦歌合戦」の話から言語と音楽の関係みたいな話に発展して、かなり興味深い内容でした。

二本目の「アスファルトガール」もとても面白かったです。「プリティ・ウーマン」みたいな映画ですかね? 「プリティ・ウーマン」をちゃんと観てないのでなんなんですが……(笑)。ゲイリーさんがかなり影響を受けていて、それは「ヒゲと未亡人」の楽曲にも反映してるという、平岡精二氏が音楽を担当してるのだそうです。ジャズ系の人らしくアートブレイキーの「モーニン」みたいな曲とかがあったりして面白かったです。特にチンピラ(ひも?)がウェストサイド・ストーリーばりに踊るシーンは、なかなか見応えがありましたです。ゲイリーさん曰く「これから再評価されると思うので、平岡精二という名前を覚えておいて下さい」との事です。ヒゲミボでも平岡精二のアルバムを出すという計画もあるとかで、楽しみです。

踊りながら登場して、帽子を客席に投げた岸野さんの「映画音楽講義」を挟んで――内容はこの前のアートコンプレックスと似た感じで、まとめという感じでしたが、スクリーンに映して引用していた映画がかなり良かったです――三本目の映画「君も出世ができる」の上映。個人的には、この映画が映画として一番面白かったです。音楽は黛敏郎氏で、主要メンバーのフランキー堺、高島忠雄、雪村いずみ、中尾ミエにそれぞれテーマ曲みたいな曲が設定されていて、後半それが絡み合ったりするのが印象的です。この曲が良い曲ばかりでいいのですが、個人的に気に入ったのは雪村いずみの「アメリカでは」とかって歌う曲でした。あと、オープニングもかなり好きですね。フランキー堺が起きて出勤して行く所。路上の落書きでキャストが紹介される所は凄く好きな感じです。

映画が終わったのが、だいたい午前五時半ごろ。それからゲスト三人によるクロス・トークと質疑応答でした。こういう話の内容を書くのは、なかなか難しいのですが、映画音楽についてのかなり濃ゆーい本気トークが繰り広げられました。映画をみるだけでなくて、こういうトークがあるというのはかなり面白くて、素晴らしい企画だと思いましたです。絶対に途中で寝てしまうと思ったんですが、結局寝る事もなくたっぷり楽しめました。是非、また続編を期待したいです。


2003年12月06日(土曜日)----すぎもと

ハルディン・ホテル

すっかり「有頂天の」とか「ナゴムの」とかいう冠も必要なくなった、ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の劇団 ナイロン100℃の「ハルディン・ホテル」という芝居を見るために、もうすぐ無くなってしまうという近鉄小劇場へ。今回の大阪は四公演あって、今日だけが昼夜公演の模様で、その夜公演――俗にいうソワレ――の方へ行きました。

上本町へ行く前に、腹ごしらえに戎橋の南側すぐの所に出来た大戸屋で腹ごしらえ。ボクは結構大戸屋好きなのですが、本拠地の関東の人の大戸屋に対するイメージとか位置づけっていうのはどういうものなのか? っていうのが計りかねて困ります。いや、困りません。そんな困った様な、全然困らない様な疑問を持ちながら「まぐろの温玉とろろ丼」を頂きまして、おいしゅうございました。腹一杯になった所で、「素敵なダーリン」(読売テレビ)という番組のロケバスから降りて来た、トミーズ雅とこえぴょん(桂小枝)の脇を抜けて、小雨の降る中を散歩がてらに近鉄小劇場まで。

ちょうど開場の数分前に劇場に到着したのですが、中のトイレが混雑してるかもしれないので、先に隣りの近鉄百貨店のトイレにいきました。入り口の受付で、リポビタンDで酔っぱらってる、ファイト一発なおじさんが、受付嬢二人に夏目雅子について熱弁をふるってるのがとっても面白かったです。

そんな和んだ気分で開場した近鉄小劇場へ。実は今回が最初で最後の入場になるんですね。初めてなので思い出とか思い入れとかも無いんですが、何故か感慨深いのが不思議でした。今までいくつもの観に来たい芝居があったのですが、なかなかその機会が無かったのです。近鉄電車の広告を見ながら、「あぁ観に行きたいなぁ……」と思う事もなくなるのだなぁ……という感じと、やっと来る事が出来たという感じが入り交じったものというのでしょうか。

これから観るっていう人はネタバレの可能性もあるので、以降は読まないでください。華々しくオープンした「ホテル・ハルディン」が、オープンの日に宿泊したお客さんに、十年後の同じ日の宿泊チケットをプレゼントして、そのお客さんが再会するというのが大筋のストーリーです。十年前と今のシーンが交差される様に展開されるのが面白かったです。チーフが若いスタップに語る回想シーンが、その場で展開される訳ですが、そのチーフ自身が両方に存在しないといけないシチュエーションがあって、その処理のしかたが最高でしたです。使われる音楽といい、舞台美術といい、ストーリーとか笑いとか、ケラ・ワールドが確立されてるなぁというのが一番の印象でした。観葉植物が「防人の詩」を歌うっていうのにも笑えましたが、全体的に客のウケは良かった印象ですね。舞台の台詞が聞こえないくらい笑いをとってる場面が何度かありました。そうそう、置いてあるサインがドラマーばかりって――しかも偽造――いうのもウケました。全国ドラマー連盟(?)って……(笑)。休憩を挟んで三時間を超える芝居だったのですが、長いと感じさせないくらい楽しい芝居でした。

午後六時半の開演で、終わったのが十時前。今日はその後、京都みなみ会館でのオールナイトの三本立ての映画を観に行くのでした。これが十時四十五分開場の十一時十五分開演なので、もうかなり間に合わない時間です。ちょっと急いで谷九まで歩いて谷町線で東梅田へ。JRの新快速が一番早いのでJR大阪駅まで行ったのですが、疲れてて鈍行でゆっくり行こうという事に何故かなってしまって、それなら天満橋から京阪に乗って丹波橋で近鉄に乗り換えて「東寺」まで行った方がよかったじゃないか……とか思いながら、急がないといけないのに、ゆっくりと京都へ向かいましたとさ。つづく……。

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2003年12月05日(金曜日)----すぎもと

要注意曲

例えばCMなんかを見ていて特に思うのですが、凄くツボにはまる表情っていうのがあるんです。最近好きな所でいえば、「ファンケル発芽米」のCMで髪の毛がピョコンとはねる女の人の表情。それから、「みんなのゴルフ」かなにかのCMで、ドリフトぎみのカートの後ろに乗ってるおじさんの表情。それから、「2ウィーク・アキビュー」のCMで、友達がコンタクト(レンズ)にかえたのを見て、自分もかえようとする女の子の、初めてコンタクトを付けた時の「おぉぉぉ……」と言う表情とかがお気に入りです。

映像にしても音楽にしても、CMっていうのは短い十五秒くらいの時間の中に、イメージや情報を凝縮しないといけないので、特に印象に残るものがあるのかも知れませんですね。そんなで、音楽にしてもCMに使われてる曲っていうのは、特に気になって聴いてしまってます。いえ、意識して聴いてるんじゃなくて、どっちかっていうと無意識に意識してるという感じです。AUのCM曲が気になってしょうがないっていうのは前にも書きましたが、最近はクレイジー・ケンバンドの「プチ、チュー、カフェフレッソ」とか、「コパンコパン、小さくたって一人前」っていうヤツです。AUのは頭の中で回るタイプの曲ではないですが、後のは聴いた後では、暫く頭の中でグルグルと回って、挙げ句の果てには無意識に口ずさんでしまうという、要注意曲ですね。

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2003年12月04日(木曜日)----すぎもと

不純な妄想

今、図書館で借りているCDは、「高橋悠治リアルタイム2 ゾーン・三宅・マセダ」(fontec FOCD3151)と「高橋悠治リアルタイム7 音楽のおしえ」(fontec FOCD3297)の二枚。「高橋悠治リアルタイム」というシリーズは、今の所十一集目まで出てるらいいのですが、これが図書館に(九集まで)置いてあるのに最近になって気づきまて、借りて来たのです。やっぱりここ――京都市醍醐中央図書館――の図書館の品揃えは、素晴らしすぎるので関心します。

図書館ではCDが二枚までしか借りられないので、九枚制覇するにはちょいと時間がかかりそうです。まぁ、それだけ長く楽しめるという事で、それはそれで嬉しい限りです。でも図書館に置いてない続きのCDにも、とても興味深いのがあるのですよね。例えば十一集の「高橋悠治・高橋アキ ケージ(リ)ミックス」(fontec FOCD3494)とか、「フォー・ウォールズ 高橋アキ プレイズ ジョン・ケージ」(Camerata CMCD-28027)とか、もの凄く聴いてみたいですね。恐らく今ボクは、クラシックの新譜カタログを眺めつつ、欲しいレコードに思いを馳せていた中学生の頃くらいの勢いで、欲しいCDが山の様にあるのかも知れません。ちょっと帰郷した時にバッタリ、同級生に出会った時の感覚に近いですね、これは。くそぅ、年末ジャンボに当たったら、一遍にまとめて買いまくってやる(苦笑)。まぁこのあたりが、あの純粋な青い春の時代とは違う訳ですが……。はははは。

それはそうと、そんな不純な妄想をしていたおかげで、今日がフランク・ザッパ御大の命日だというのを、すっかり忘れてて落ち込んでおります。でも、命日に故人を偲ぶのもいいのですが、やっぱりキリスト教徒でもないボクとしましては、今月の大イヴェントであるキリストの誕生日より、その数日前にあるザッパ御大の誕生日を祝おうと思いますです。ザッパッパ・ツリーに飾り付けをしまして、プレゼント交換もしちゃうぞ。

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2003年12月03日(水曜日)----すぎもと

ミュージック・コンクレート

アンリと「漁夫とその妻」のCD

ちょっと前にも覗きに行った「レストア・ストア」という古本とか中古CDとかの店に寄ってみて、今日はじっくりと見てきました。中古CDは結構たっぷりとあって、全部ちゃんと見ると時間がかかりますね。しかも売れ筋じゃないやつが軒並み三百八十円になってるので、掘り出し物を探そうと余計に時間がかかってしまいます。でもこれが「売れ筋じゃない」と判断されてても、クオリティの低いCDという訳ではなくて、逆にボクみたいな流行もの自体が初めから眼中にないヤツにとってみたら、こういうシステムはお得なんですよね。そういう訳で、今日は二枚買ってきました。勿論、二枚とも三百八十円なので七百六十円プラス消費税という事です。いやぁ、これは最高にお買い得でした!

まづ一枚はフランスの作曲家ピエール・アンリ(Pierre Henry)の「都市、メトロポリス・パリ(La Ville.Die Stadt Metropolis Paris)」(King International Inc. KKCC-4293)というアルバムです。帯には「片山杜秀が選ぶWergoおもしろ現代音楽3」とあって、ドイツの現代音楽のレーベルWergoからリリースされている中から、片山杜秀氏によってチョイスされて、国内盤としてリリースされた5タイトルの内の一つだそうです。

まぁ何がお得って、このCDはおそらく売れ残りかなにかの新古品なんでしょう。まったくの新品状態で、ディスクにもケースにも傷一つ入ってませんし、ライナーノートとかも触った形跡すらない感じです。これが三百八十円ってお得過ぎというか、マイノリティな音楽好きとして人様から後ろ指さされて、堪え難きを耐え、忍びがたきを忍んで来た甲斐があるというものです(苦笑)。

このアルバムは、ピエール・アンリという名前で分る人も居るでしょうが、いわゆる「ミュージック・コンクレート」(具体音楽)というヤツです。そいつは何じゃい? という方もいらっしゃるでしょうが、もう極端に言ってしまうと「テープ音楽」ですかね(テープっていうのも古いですが……)。つまり、具体的な音――録音された「街角の音」やら「犬の鳴き声」やら「クラクションの音」など――を編集して作品を作る訳です。「ミュージック・コンクレート」なんてもう古い方法だなんていう言われ方をする事もありますが、この作品――一九八四年作曲――を聴いてても全然古い感じはしないし、むしろリミックス全盛の今の時代にピッタリな手法だと思ったりもします。

「聴く映画」という言葉が帯とかライナーにいっぱい出てきますが、聴いた感じはまさに「聴く映画」です。ボク自身、あまり「ミュージック・コンクレート」を聴いた事がないのですが、これはパリの街角の音をただ単に録音してあるだけじゃなくて、ちゃんと「音楽」になってるというのは驚きました。正直もっと退屈なものじゃないかって思っていたんですが、ずーっと聴き入ってしまって、最後まで聴いてしまいました。しかも、かなりショッキングでエキサイティングな体験でした。そして目から鱗がポロポロ落ちる感じでもありましたです。もうこの世にはこんなに面白い音楽が一杯あるんだから、ボクが何かをする必要があるのか? という感じもして、ちょっと落ち込みますけれど……(笑)。でも、とっても楽しいですね。

もうひとつのアルバムは「漁師とその妻」(PCCY-20034)。グリム童話の「漁師とその妻」を、ヴァン・ダイク・パークスの曲をバックに、ジョディ・フォスターが語るというものです。「ピーターとオオカミ」とか、そういうノリでしょうか? 勿論、英語で語られるのでボクにはチンプンカンプンですが、日本語版なので対訳もついてますし、語りが入ってるヴァージョンと音楽だけのヴァージョンのふたつが収録されています。これもまぁ言ってみれば「聴く映画」と言えなくもないですね。両方のCD共に大当たりで、本当に大満足な買い物でございました。

おっと、今日はNHK-FMでSpank Happyのスタジオ・ライヴがあるのでした。今から聴かなければ……。そういえば、今日がニューアルバムの発売日だったのですよね。買うのは先になりそう。三百八十円に……はい、なりませんですね(苦笑)。


2003年12月02日(火曜日)----すぎもと

ドタキャン

昨日はタトゥーが日本公演を行なったとかで、ファンの方々に置かれましては非常に残念な事で、心中お察しいたしますです。会場もガラガラで、チケットもヤフオクでペアで千五百円とかっていう話を聞きましたし、ダフ屋さんも困った事でしょう。しかし、前日のリハをドタキャンして、ファンの期待を盛り上げるだけ盛り上げておいて、結局当日は五十分押しで始まって、ステージも五十分だなんて、そんな中途半端な事をするかね? 大方のファンは、ドタキャンを見るために集まったんでしょう? 折角ドタキャンのアナウンスを聞いて大盛り上がりをしようと全国から楽しみに来た人の期待を裏切るとは、タトゥもたいした事ないですね。キッチリとドタキャンしないと、ファンに見放されますよ。ボクが会場に居たら大ブーイングをしますね。出てくるんじゃないよって。タトゥの値打ちが無いってもんです。少なくとも、リハはちゃんとやって「あれ? ひょっとして本番もちゃんとやるんじゃないの?」なんてファンを不安に――シャレじゃないですよ(笑)――陥れといて、それでちゃんと本番はドタキャンすると、それくらいの演出はあってもいいってもんです。全然逆でお粗末すぎ。


今日は田舎の友達からの情報で、どうやら例の「俺たちの旅」のオンエアが、今月十六日らしいという連絡をもらいました。まだ撮影が終わったばっかりという事なので、早いなぁという印象です。牟岐駅という正しいさびれ方をしている駅では、十朱幸代がロケをしたのだとか。中学の頃に一度バイトをした事がある、内妻海水浴場の近くの店でも撮影があったのだとかでビックリです(当時の店とは変わってるんですが)。それにしても思ったより多くロケが行なわれた模様で、とってもオンエアが楽しみになりました。町名とかはそのままでは出ないと思いますが。まぁ、危惧する所は、「俺たちの旅のロケが行なわれた」っていうのを観光の売りとしようなんて色心を出さないだろうなぁ……という事ですね。怒られそうですが(苦笑)、勿論これは愛を持って言ってるのですよ。


2003年12月01日(月曜日)----すぎもと

へぇボタン@Fragile

五分に一回くらいの割合で、読んでいる単行本の匂いを嗅ぐおじさんと向かい合いながら、地下鉄で御池まで。腹ごしらえに、近くのセルフうどん屋さんへ行ったけど、今まで行ったセルフうどんのなかでは、一番美味しくなかった「釜揚げうどん」だったので残念。単品の天ぷらは、結構いけましたけどね。それにしても、セルフうどん増えましたね。

そのまま歩いてライヴスポット・ラグまで。今日は夏以来の久しぶりのFragileのライヴを観に行ったのでした。いままでFragileが京都でライヴをする時は、不思議と週末が多かったのですが、前回も今回もウィークディ。しかも前回の動員が少なめだったので心配だったのですが、今回はいい感じでお客さんも入ってて良かったです。今回のツアーに大阪が入ってないっていうのも関係があるのでしょうか? もし、これからツアーへ向かう人には、ちょっとだけネタバレもあるかも知れないので、知りたくない人はこの先は読まないでください。

さて、今回のライヴは休憩を挟んで二部構成で四曲四曲、プラスアンコール一曲の九曲くらいでしたが、それにしても七時半スタート――ちょっと押してたけれど――で、終わったのが十時半近くだったような感じだったので、いつもどおりの結構たっぷりのヴォリュームだったですね。勿論M.Cには定評のある(?)Fragileですが、しかし今日のM.Cは凄かったですね。もう止まらないといった感じで水野さんが暴走しておりました(笑)。電池の切れた店長さんの代わりに(笑)前店長のアキバさんの休憩名物の告知が終わって、メンバーがステージに上がってからも、普通はまづ一曲って演奏がはじまりそうな所なのに、十五分近くはM.Cだったんじゃないでしょうか? まぁだいたい、水野さんなんてベース置いて座りだしますからね(笑)。もうこれはスタイルですね。

曲は夏のツアーとダブる曲も多かったですが、古くからの4ビートの名曲「カレカ」は、なんと4ビートじゃなくてファンク・ヴァージョン。これがかっこ良かったですね。途中部分的に4ビートの所もありましたが。あとは久しぶりに"Limited Answer"が聴けたのも嬉しかったです。三人ともに手数ガンガンでオセオセの音の洪水もFragile売りな訳ですが、こういう曲を聴かせられると、余計に流石! って感じがします。音量のバランスとか、もう絶妙で素晴らしいのでした。あと、最近はpazapのリハでもコピーして必死で遊んでる(遊ばれてる?)"Handle with Care"も聴けて大満足でした。この曲こそアルバムで聴くより、ライヴが最高の曲ですね。昨日のリハでもやってたので、個人的に感慨もひとしおって感じでした。

孝三先生のドラム・ソロは、新しいネタもあって凄く楽しめました。この前のアジア・ドラムクリニック・ツアーの時にインドネシアで仕入れて来たパターンとかが出てた模様です。後の矢堀さんのM.Cでもドラム・クリニック状態になっていた「叩いてないのに音が出るかの様なネタ」は「最近、生徒とかに教えてる」とか言ってて「何を教えてるの(笑)」とかって突っ込まれてましたが、はい、実際に習いましたですよ(笑)。それから 三板 さんば という、書いて字の如く三枚板のカスタネットみたいな沖縄の楽器を、ソロに使っててかっこ良かったです。実は昨日のpazapのリハで、生野さんが三板を買って来てたので、ちょっと叩かせてもらったのですが、慣れないと全然ちゃんと叩けないのですよね。見てると軽々と叩いてるみたいなんですが、ボクも買って練習したいなぁ……とか思いましたが、結構音がうるさいので練習する場所もちょっと困る感じではあるのです。

あと、ネタとしては、ドラム・テクニシャンのK氏により、今回のツアーの為に新兵器「へぇボタン」が導入されてて、ステージ上でも「へぇへぇ」と活躍してましたです。ライヴ終わってから触らせてもらってたんですが、あれ連打できないんですね。あと「20へぇ」になったらリセットしないと使えないとか。あと、矢堀さんも交えて、「へぇボタン」をファミレスに置いてて、メニューが決まって店員を呼ぶときに押したら「へぇ」っていうと面白いじゃないか……なんていう話をしたりして面白かったです(笑)。

いやぁ、Fragileのライヴは、もう十年くらい見てるんじゃないかと思いますが、本当に楽しいです。そして、そろそろ次のアルバムの制作にかかるとの事ですが、とっても楽しみです。孝三先生のソロ・アルバム第二弾も出るのだそうで、これも楽しみ楽しみ。

それはそうと、今日は「水戸黄門」を録画予約するのをすっかり忘れてたので、ラグで気づいた時に「忍くん、ウエハース買ってくるよ」と、付け髭を風に飛ばしながら猛ダッシュで帰りたくなりました。



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