パザ日誌


2006年06月20日(火曜日)----すぎもと

機械の体のベーシストへ

先日の日曜日はpazapのリハが御座いました。ライヴまであと約1ヶ月。この前の最悪だったライヴの借りを返すために、がんばらねば! という所なのですが、pazapには珍しく練習後に2時間のミーティング。ちょうどワールド・カップの日本戦が始まった頃から、スタジオの店長さんがわざわざラジオで中継を流してくれてるヴォリュームを絞って――3階の待合室にはpazapのメンバーしか居なかったものですから――色々と話し合いました。

その後、場所をスタジオ近くのサイゼリヤに移して、更に2時間。午前2時すぎまで真剣にミーティングは続き、pazap3代目ベーシスト高木氏が脱退という事になりました。

ちょうど丸3年。内2年はリハばかり。この1年間では7回のライヴで一緒に演奏しました。その間、わたしの曲作りのスローペースさ等、本当に迷惑をかけたのですが、前回のライヴで披露されたV-Bassの導入など、ベースに関しては本当に前向きで、それがわたしの中での想像を掻き立て、面白い曲のアイデアも一杯浮かびました。結局それを形にする事が出来なかったのが、本当に残念です。

pazapのスタイルが普通の打ち込み同期ものから始まって、それが4人の生演奏だけの形になり、今後のスタイルへの模索をひたすら続けていたのですが、なかなかうまいこといかず、現在に至って居るのです。あくまでポップな曲としてのポリリズムの強化。生演奏の気持ちよさ。それに、エレクトロニクスの導入をどうからませていくのか、それの丁度いいバランスのポイントを探って行きたいっていうのは個人的な思いなのですが、今回の生ベースレスという編成に至った事によって、このズルズルと先延ばしにしていた問題を、早急に解決しなければいけなくなった訳です。夏休みの宿題は8月31日に慌ててやる派のわたしとしましては、本当にこんな事がない限り行動に移さなかったかも知れません。

時間はありません。ライヴまであと1ヶ月しかないのです。思い切って新しいMacも買います。今の段階で準備はゼロに等しいのですが、前に向って行きたいです。が、その前に、3年間pazapというちょっとけったいなバンドのメンバーとして、遠い所から通ってくれていた事も含めて、高木くんには本当に感謝です。ありがとう!

そして、この3年間、生演奏pazapを応援してくれた方々へも、心から感謝しております。ありがとうございました!

また暫く機械の体のベーシストになりますが、また違った――又は変わらない――pazapの演奏を聴きに、7月22日のライヴへ足をお運び頂ければ幸いです。

これからもpazapをよろしくお願い致します!


2006年06月19日(月曜日)----すぎもと

丸物サイダー

丸物サイダー

京都駅前にあるプラッツ近鉄が閉店する話は前にも書いた事があったと思うのです。ヨドバシカメラになるんでしたよね。今プラッツに入っているSofmap京都店はどうなるのだ? 何て思ってたら、その後四条通り沿いに出店したり、それよりも京都駅前西側にはビックカメラが出店するのだから、丁度いいっちゃあ丁度いいのでしょう。上手い具合になっております。

で、プラッツ閉館っていうニュースを聞いたときは「なんだー、まだ先の話やん」って思ってたのに、もう来年の2月だからあと半年ちょっとなんですね。良く行く所だけに寂しい感じもあります。京都駅行っても伊勢丹なんかほどんど行かないのでね。

今日貰って来たこのサイダーは『丸物サイダー』と言う非売品で、近鉄百貨店京都店の前身である『丸物』の、古きよき時代のデパート食堂のあの懐かしい味をイメージして製造したサイダーらしいです。新聞の切り抜きを持って行けば、期間限定、先着1万名にプレゼントされるそうです。

プラッツのサイトにも、この券があるので、切り取ってもっていけば貰えますよ。用事がある方は是非に立ち寄りましょう!


2006年06月18日(日曜日)----すぎもと

『ニャピョンガ』のポリリズム

pazapの『ニャピョンガ』という曲の間奏、ギターソローのバッキングでのポリリズムです。

まづは音源を聴いてみて下さい(この音源はメンバーに渡した打ち込みデモのドラム・パートを手直ししたものです。バグなのか、カウベルの音が歪んでるのですが、そのままにしてあります。ご了承ください)。2小節のカウントの後、全部で16小節。前半8小節が普通の演奏。後半8小節がポリリズム部分です。

『4と7のポリリズム』で、7のパートはドラムの両手(カウベルとリム・ショット)だけです。1小節のパターンを繰り返してるのですが、このポリリズム部分のドラム譜は次のようになっています。

『ピャピョンガ』ドラムポリリズムパート

両足は前の小節の流れで、同じパターンを踏んでますが、両手は2拍7連です。ドラムのみの音源も聴いてみて下さい。

ドラムのみで聴いた方が、両手と両足のパターンが干渉しあって、ちょっと訳が分らない感がありますね。この場合はドラムのみが7ですが、4と7を演奏する楽器を変えてみると、色々と面白いアレンジになると思います。例えば、今回のパターンに、上でギターが7のメロディを弾いたりするとか。

さて、7の部分に注目して聴いてみると、次の譜例の様な7/8のパターンに聴こえて来ると思います。

『ニャピョンガ』聴感上の7

この様に、ポリリズムというのは変拍子と解釈されたり(または誤解されたり)するのですが、実は考え方からすると、まったく違うものと考えられます。変拍子というのは、最小単位を積み上げて行って構築するもの。つまり2と3を足していってるのです。例えば5の場合は3と2、7は2+2+3とか。そして、ポリリズムは大きいリズムを割っていって構築するものです。1小節を5で割ったり7で割ったりするように。菊地成孔さんは、このあたりを変拍子はインドのターラの様に『積分的』リズム。ポリリズムはアフリカルーツの『微分的』なリズムという様な言い方をしておりまして、成る程なぁ! と目から鱗がバッサバッサと落ちまくりました。


2006年06月17日(土曜日)----すぎもと

引越し中

新しいホスティング・スペースが確保できたので、引越しに取りかかりました。

ローカルマシンにバックアップしてあるファイル群を「ウリャー!」とアップロードするも、正式移転までの仮アドレスでアクセスすると表示がおかしい。CSSを読み込んでない様なので、もしやと思って見てみると、ディレクトリのパーミッションが8割がた700になってる。邪魔臭いけれど、全てのファイルのパーミッションを調べがてらに、ディレクトリのパーミッションを755に変更。無事に表示される様になりました。

あとは.htaccessを若干変更したり、細かい事を色々と。放置中の自分のサイトを統合しようと思ってたのですが、よく考えるとドラム関係はいいけれど、故郷・牟岐町の写真集とかが整合性がなくなるので、もうそれなら個人サイトの方はこのコンテンツをメインにしてしまおうかとか考えてます。

思ったより時間がかかってしまったので、くたくたになって出かける予定もキャンセルして、夕方から生野さんに借りたままになっていた『ハウルの動く城』のDVDを見たりしてました。『ハウル』はですね、ハウルっていう人の住んでいる城がですね、動くんですよ〜(苦笑)。


2006年06月16日(金曜日)----すぎもと

サーヴァー引越し予定

今間借りしてるサーヴァーの更新案内メールが届いてました。

6ヶ月更新にしてるのですが、この更新の案内が来たら乗り換えをしようと心に決めておりましたので、慌てて次のホスティング先を探しました。

今の所のサーヴァーも概ね不満はありませんが、なんせ容量が100Mしかありません。今どきプロヴァイダの無料ホームページ・サーヴィスでも、それくらいの容量は付いて来るのに。特にここはオリジナルのmp3ファイルを置いてある――そのうちのいくつかは、既に別の所へ回避中――し、これからも増やしていきたいので100Mでは現実的ではありません。

次のホスティング先は既に決定していて、只今手続き中ですが、容量がぐんと6倍で、料金は今の半分以下という事で、引越しが楽しみであります。独自ドメインで運用しておりますので、新しい間借り先でも勿論、当サイト各ページのアドレス等は一切変わりません。ただ、Namazuによるサイト内検索が無くなるのと、わたくし個人の放置中サイトをトップ・ページだけ残して統合しようと思っているのと、若干細かい事が少々ある位です。

本格的に引越りにとりかかると、特にDNSへ浸透するまでは、新旧サイトのどちらへ飛ぶかとか不安定な時期がありますが、よろしくお願いいたします。いいかげんこのダサいデザインもどうにかしたいんですけれど(苦笑)、なかなか手が回りませぬ……。


2006年06月15日(木曜日)----すぎもと

4と7のポリとレストアストア

昨日書いたTipographicaの『TP-1故障せよ』中盤のポリリズム。今日改めてTipographicaのサイトから、アルバム"God says I can't dance"のページを見ると、ネーミング担当の菊地成孔さんが、なんと書いてあるじゃないですか!

曲中4と7のポリリズムの部分がありますが、それを聴き分ける耳で次の指令を待て。

そうか、あの場合単純に『4と7のポリリズム』でいいんですね。分母が合わないといけない気がして、8と7とか――いや、実際にこの曲は昨日も書いたように、4の方が3連なので12と7みたいになってしまって、微妙に変な言い回しになってしまいそうで困ってしまったんです――書いてましたが。聴感上は4/4と7/8が1小節を共有してるって言い方が分りやすいと思うので、この分子4と7って事ですね。これを聴き分ける耳はなんとか有りそうなので、次の指令を待つ事にいたします!

さて、本日は平日なのに珍しく、夕食を新堀川通り沿いにある『くら寿司』へ食べに行きまして、テーブル席へ案内される時に、食べ終わって帰るM氏と遭遇。M氏はpazapのファースト・ライヴから見にきてくれてるという、何ともありがたい人なのですけれど、会って話をするといつも、何とも言えないホワーンとした気分になる本当にいい人であります。癒し系というか和み系というか。ボクの悪魔の様に冷たく凍り付いた心が温かくなるという凄い人です。久しぶりに会えて嬉しかったです。

いつも通りに大好きな鉄火巻きばっかり食った後、『くら寿司』を南下して、Zakkabackerという古着屋で買い物。それからさらに数十メートル南下した所に有る百均Flet'sで買い物。その後、久しぶりにレストアストアへ。

レストアストアでは、先日大阪で買いそびれてたSquarepusherのWarpから出た2ndアルバム"Hard Normal Daddy"(Amazon.co.jp)と、Kraftwerkの"The Mix"(Amazon.co.jp)を購入。Kraftwerkは580円だった。本を見ていたら、『獅子身中のサナダ虫』(藤田紘一郎:著/講談社/ISBN4-06-209994-2)があまりにも面白かった為に、思わず衝動買いしてしまいました。105円でしたけれど。


2006年06月14日(水曜日)----すぎもと

Tipographicaを聴きながらでは本は読めない

ここ最近はカフカの短編集を持ち歩いて読んでいたのですが、今日は岩城宏之さんのエッセイ『回転扉のむこう側』を持って。

iPodではTipographicaを聴いていたのですが、おとといに記憶で書いた『Tipographicaの8と7のポリリズム』っていうのを確認しておこうと思って探してたのですが、どの曲だったのかが分らなくなって困っておりました。こんなに聴き込んでるのに(苦笑)。

多分アルバム"God says I can't dance"の中の曲で、初めの方の曲だったという記憶があったのですが、何故か見つけられない……。

で、結局このアルバムの2曲目『TP-1故障せよ(Control tower says,"TP-1,break down.")』の中頃からだっていうのを突き止め、ずっと聴いておりました。しかし、Tipographicaの凄い所は、何度聴き直しても新しい発見があるのです。ため息しか出ないくらいに凄い。

そうそう、肝心のポリリズム部分は、8と7のポリリズムじゃないし、ウワモノだけ7だっていうのも完全な勘違いでした。実際はドラム以外が7で動いてて、ドラムだけ4/4で叩いてる――分りやすく言えば、1小節を共有していて、ドラムは4/4、他の楽器は7/8で進んでいるともとれるので、こういう部分ではまったく『ニャピョンガ』で導入したポリリズムと似ている――のだと思うのですが、ドラムはシャッフルしてるので8っていうのは違ってたという事です。

こういう1小節を8で割るか7で割るかっていうのは、そのお互いのパルスが近いだけに、ハーモニーで言うと半音でぶつかる不協和な感じを与えかねないのです。勿論、これは前提と成る『不協和』の尺度の問題がある訳ですが、それは置いておいて、Tipographicaはそういう部分を『訛り』という事であぶり出し、あの独特なポリリズム世界を構築したという事でしょうね。このポリリズムパートの7のフレーズの最後のあたりと、(4/4で進んでる)ドラムの4拍目の3連符の真ん中を抜いたハイハットの音なんか、まさに『訛り』『揺らぎ』ですね。

また近いうちに、譜面と音も込みで『ニャピョンガ』のポリリズムの事も書きたいと思います。


2006年06月13日(火曜日)----すぎもと

リゲティと岩城宏之

今日は2度も「え!!!!」って声を上げてしまいました。

1度目は昼ご飯を食べながら、京ポンでネットを見ると言う至極お行儀の悪い事をしていた時。Klang Weblogの今日のエントリーのタイトルを見た瞬間です。なんとタイトルが『ジェルジ・リゲティ死去』。

ハンガリー出身の現代作曲家、ジェルジ・リゲティさんが12日、ウィーンで死去した。83歳だった。オーストリア通信などが伝えた。ここ数年病気を患っていたが、家族は死因を明らかにしていない。

ショック。ただただショックです。

2度目は夕方。これも京ポンで産經新聞のニュース速報を見て。『岩城宏之氏死去』。

岩城宏之氏(いわき・ひろゆき=NHK交響楽団正指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督)13日午前0時20分、心不全のため東京都内で死去、73歳。

岩城宏之さんは今年の2月の京都市交響楽団定期演奏会で武満徹特集をやった時に、初めて指揮する姿を生で見る事ができました。しかもパディウム席からなので正面から。わたしにとって、この時のコンサートは、武満作品を聴く喜びも勿論ありましたが、岩城宏之さんの指揮を見られるというのが同じくらい感慨深かったコンサートでした。

このコンサートのプログラムについて、出演者の経歴については何ページも割いているのに、肝心の武満作品の解説が適切でないとの苦言を呈され、各曲の前に岩城さん自らがマイクを握って解説されるという、今から思えば聴衆としては本当に幸せなコンサートだった訳です。やや聞き取りにくい声でしたけれど――これはP.Aの関係や座った位置の音の回り具合もあるかとは思いますが――本来ならば聴くとこが出来なかったであろう、岩城さんの肉声でお話を聞けた訳ですから……(増幅された声でしたけれども、あれは肉声と言っていいと思います)。

すでに来年の1月の京響定期公演の指揮が決まっていて、ショスタコの5番をやる予定だったのに。楽しみにしてたのになぁ……。残念。10年後、『武満没後20年』という文字を見ると、あぁ岩城宏之没後10年なんだな……と思うのでしょうね。

お二人はひょっとしたら、今頃天国で笑顔で肩を組んでいるのでしょうか? 武満氏とも再会してる事でしょう。だとしたら、それはそれで喜ばしい事なのかもしれませんね……。


2006年06月12日(月曜日)----すぎもと

訛り

昨日のpazapの練習で、『ニャピョンガ』という曲にポリリズム――8と7のポリリズム――を導入してみたら、すこぶる評判が悪かったので(苦笑)、今日は各楽器隊練習用の音源を作っておりました。

8と7のポリリズムというと、Tipographicaにあったと思いますね。Tipographicaはリズムが8――と行っても4分の4拍子の事――で、ウワモノが7っていう、ウワモノだけ聴くと7/8の変拍子に聴こえるっていう曲だったと思うのですが、これ、変拍子至上主義――そんなものあるのか(笑)――へのアンチテーゼだと勝手に思ってるのですが、それを言ったらTipographicaのコンセプトそのものが変拍子至上主義へのアンチテーゼのようでもあります。

今回の『ニャピョンガ』のポリリズムは、ひとりポリリズム。ドラムの両足が8で両手が7のポリリズムです。最近パターンズとか練習してて、やってみようと思ったのですが、昨日は初めてドラム・セットで叩きました。まだまだ練習が足りませんが、初めてにしては思ったより上手く叩けたかと。曲として聴いてどうなのか、シミュレーションしてなかったのですが、今日打ち込んで聴いてみた感じでは、まずまずの訛り方だと思います。良かった。

このpazapのサイトで1番人気のページはポリリズムのページなので――検索キーワードは毎日『ポリリズム』がナンバーワンです――日を改めてこのポリリズムについて書いてみたいと思います。


2006年06月11日(日曜日)----すぎもと

もんてくる

『エキサイティング・サマー・イン・ワジキ』というキーワードで、検索して来る人が増えだしてまいりました。そういう季節なのですね。

エキサイティング・サマー・イン・ワジキ』というのは、大塚製薬が、徳島県の鷲敷工場で毎年夏におこなう野外ライヴ・イヴェントでありますが(なんと入場無料)、さて今年は誰が出るんだろう? と思って見てみると、『アンジェラ・アキ』が出るんですね! さすがに徳島出身。それにしても『アンジェラ・アキ』くらいしか分りませんな(苦笑)。おっさんはついていけません。

アンジェラ・アキは、この前六本木ヒルズでライヴを見て、その男前さに惚れ惚れしたものです。恐らく8月13日は帰省中でしょうから、車で1時間くらいの所ですし、都合が付けば観に行ってみたい所であります。この工場は『カロリー・メイト』を作ってるのですが、焼きたてのカロリー・メイトが食べられるっていうのは、今年もやってるんですかね? 焼きたてのチーズ味を是非食ってみたいと思っているのでありますが……。

ところで、アンジェラ・アキと言えば、今日のNHK『トップ・ランナー』に出演しておりましたが、トーク中に『もんてくる』っていう言い方が3回くらい出て来たんですよ。徳島出身とはいえ、途中で岡山に引っ越しているらしいし、その後10年間くらいアメリカに行ってるらしいので、徳島弁ってもう残ってないと思ってたら、三つ子の魂百までですかね。

この『もんてくる』っていうのは『戻って来る(帰って来る)』っていう意味なのですが、昨日久しぶりにその言葉を聞いて、一瞬「あれ? これって徳島オンリー? 関西でも使う?」って分らなくなりましたが、関西では使いませんよね? ひょっとしたら香川県とかでは使うかもしれませんが。何か、徳島も基本は関西圏のイントネーションに近いので、暫く関西に居ると、この辺りがゴチャゴチャになってしまいます。



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