パザ日誌

コラムというほど大袈裟でなく、日記というほど更新もできない。
ただ、pazapのメンバーが思ったことを書き綴るページです。


2004年7月29日(木曜日)----すぎもと

国民の事を考えない国会議員に、ユーザーだけでなく業界の未来をも事を考えない音楽業界

次の目標として音楽業界は、現在MDなどに課せられている私的録音補償金を、パソコンやデータ用CD-Rなどに拡大するよう働きかけを強めている。私的複製の一層の制限も話題にあがり始めた。

最近の爆発的なiPodの売れ行きは凄いもんです。なんせ先週の携帯オーディオ部門の売り上げランキングでは、1位から9位までがiPodだとか。半年でiPodを抜く! なんて言ってたSonyは10位。何が凄いって言っても、ハードディスクを携帯音楽メディアとして定着させたのはiPodですからね。売れると分ってから参入するのとは違ってアッパレです。

そうやって一般の人がiPodをドンドンと買っていくと、レコード会社には「どうしてこのCDは、私の可愛いiPodちゃんで聴く事が出来ないの? プンプン!」なんていうCCCDを買った女の子なんかから、わんさと苦情電話がかかる事になるんじゃないのかねぇ。その度に担当者は「そのiPodというのはね、著作権利者……分るかな? この言葉。音楽を作ったりする人たちのね、権利を奪いかねない悪魔の機械なんだよ、実は。そんなの買っちゃダメだよ。おじさん達はね、そんな悪魔から日本の音楽業界……、この言葉は分るよね? つまりあなたの大好きなポルノグラフィティを守る為に頑張ってるんだよ。悪いのはアップルの方なんだからね。分った?」なんて、子供電話相談室みたいな応対をしてるんじゃないでしょうかね(笑)。最後に「ウザい!」とか言われながら(笑)。まぁ、少なくともこの状況は、日本の古くさいレコード業界の連中には嫌な現象なのは間違いないですね。メディアがMDからハードディスクに変わって、私的録音補償金も取れなくなったら、今度はデータ用のCD-Rとかにまで広げようなんて、開いた口が塞がりませんですよ。pazapの曲をCD-Rに書き込んでライヴで売ったり配ったりするのに、何で私的録音補償金を払わなきゃいけないんだ? 著作権利者は誰なんだ?


2004年07月28日(水曜日)----すぎもと

牛乳飲み

ちょっと前の話なんですが、四条大宮の交差点で信号待ちしてる時に、ちょうど横にリカーマウンテンっていう酒屋さんがあって、そこを何気なく眺めてたんです。すると、買い物を終えた若い男の人がお店から出て来て、買って来たばかりのあるものを、買い物袋から取り出しました。うだる様な夏の昼下がり、その男性は1.5リットルくらいのそれの赤い蓋――何故かくるくると回すタイプ――を取ったかと思うと、その中の栓を引っ張って……え? 引っ張ってって、何? それってひょっとして「みりん」じゃないの? と思って(笑)目をこらして見直してみましたが、どうみても「みりん」です(笑)。まぁ、「みりん」もアルコールの一種で一昔前までは酒屋さんでしか売れなかったんで、スーパーとかでは「みりん風」なんていうのが売ってましたけど、まさかその愛好者が居たとは! ちょっと驚きです。でも、ちょっと甘いんじゃないの? そこが良いのかしら?

目をまんまるさせて見てるとその人は、まるで風呂上がりに瓶のコーヒー牛乳をガブ飲みするオヤジの様な格好で、手を腰に当てて「みりん」を飲むのでした。恐るべし、みりん愛好家。皆さんも1度試してみましょう。ボクは遠慮しときますが。


2004年07月26日(月曜日)----すぎもと

フェイント

この前、再放送の2時間もののサスペンスを見ていたら、船越栄一郎が犯人だったので騙された感じでした。船越栄一郎は犯人にしたらダメでしょう。反則と言っても言い過ぎじゃないと思うのです。あれだけサスペンスに出演していて、犯人じゃないイメージが付いてる人を犯人にするのは、2時間サスペンスの神に対する冒涜ですらあります(なんじゃそれ)。

そういう訳で、この週末は、この仕打ちに打ちひしがれておりまして、ネット通販で買い物までしてしまいました。前から欲しかったコンデンサー・マイクを買おうと思って、色々と調べてたんですが、だいたいこういうパターンだと、初めに安めに設定していた予算が、調べて行く時間と比例して、ちょっとづつ高くなっていく訳です。特にコンデンサー・マイクと言えば、やっぱり安いものは安いだけの音しか録れないものですし、高いモノに超した事は無い訳ですから。勿論、コンデンサー・マイクに限らず、「あ、こっちだとこんな機能までついてる」とか、「あと5000円出せば餅まで焼けるぜ」とか(笑)。挙げ句の果てには「そこまで出せるんなら、もうちょっと出してこっちにすりゃ、おまけに高枝切りばさみまで付いてるじゃないか」とか、欲は果てしない訳です。でも、今回の買い物は逆で、調べて行くうちに予算が下がる下がる。で、結局コンデンサー・マイクなのにこんな値段でいいのかよ! ってな感じの、当初の予算の3分の1くらいのマイクを買っちゃいました。初めの予算にしても安すぎる設定なのに……。

もし、このマイクが、ボクが前に買って、1回転回し終わる前に折れやがった百均のドライバー並に屑だったとしたら、全ては船越栄一郎を犯人にキャスティングしたヤツのせいだからな(笑)。「オレオレ詐欺と同等の犯罪だ!」と一生恨んでやる。


2004年07月25日(日曜日)----すぎもと

ちょっとは役立つ? ポリリズム講座

相変わらず、毎日毎日「ポリリズム」というキーワードで、このサイトに来る方が多く、それに加えて、ポリリズムの説明へのリンクとして、このサイトへリンクして頂くケースもありますから、久しぶりにポリリズムの事を書きます。

まず、ちょっと前にサイト上で公開したpazapの「ボク」という曲から、間奏のギター・フレーズを聴いて頂きましょう。ギターの音のみ――打ち込みのギターです――なのですが、これを聴いて、この曲が何拍子かを感じてください。

ボクのポリリズム3

ひょっとしたら、上の譜例の様に、3拍子だと思われた方が多いのかもしれません。或は、下の譜例の様に4拍子と感じた方もいらっしゃる筈です。

ボクのポリリズム4

これ、実はどちらにも聴こえるんですね。でも4に聴こえた人は3で感じられない――或はその逆も――かも知れませんので、実際にリズム隊が3、若しくは4で演奏してる音も実際に聴いて頂きましょう。

どうでしょうか? これは1小節を共有――1小節を3等分してるか4等分してるかの違い――して、テンポが違うだけなのです。3拍子の16分音符1個の長さを4拍子では1拍の3連符1個分にしたものです。つまり小節だけじゃなくて、音符の長さも共有してる訳です。ただ、グルーピングを3でとるか4でとるかだけの違いで、そのグループ毎――1拍――の長さが違うので、テンポが違って来るという事ですね。だから、同じ演奏を聴いてるのに、3と感じる人と4と感じる人が分かれるという、コスモス・ポリリズムなのです。

で、ポリリズムにする訳ですから、この3と4を同時に演奏してしまえばいい訳です。ボクのギターソロのバッキング部分から聴いてもらいましょう。

この曲はドラム・キットが2セット演奏してるのですが、前半4小節は4拍子の中でピアノのみが3拍子を裏で演奏してます。このピアノだけでポリリズムになってしまうのですね。ギター・フレーズは共通なので、このピアノに注目すると3と4の両方を行き来する事が出来ると思います。そして、後半4小節は逆になって、リズム隊が3拍子――ドラム・キットが2セットなので、これは3と4をそれぞれ演奏してます――の上を、ピアノは4拍子で演奏してます。

ここで、前半と後半でテンポが変わったと感じる事が出来ますが、これをテンポ・チェンジとして利用するやりかたを「メトリック・モジュレーション」と言います。

どうだったでしょう? こういう具体的な例がネット上にあんまり無いように思いますので、何かの役に立てばと思いますです。でわ、レッツ! ポリリズム(笑)。


2004年07月21日(水曜日)----すぎもと

宵山のライヴ

先週の金曜日は祇園祭の宵山で、かなり盛り上がって熱気ムンムンの京都市内を後にして、阪急電車に乗って大阪まで。それにしても、駅はどこも凄い浴衣の華やかな色で賑わってましたですね。お祭りというのは口実で、実は自分のファッション・ショーの気分で着飾る、若いおんなの子たちなのでしょう。山や鉾なんてどうでもいいし、神社にお参りに行く必要もない。全ては綺麗な衣装を身にまとう事が目的という、まったくまっとうな感覚だとは思うのです。でもよく考えてみると、動物の世界では、孔雀にしてもそうですが、だいたいオスがメスの気をひく為に派手な衣装を身にまとうものですから、人間は逆ですかね。結局の所、ウーマンリブな人たちがガーガー言わなくても、メスがこの世の中心でオス達を操っている事に代わりはないのです。そして、人間のおんなの子は、オスから衣装をももぎ取って、自分たちまでが着飾りだしたという事でしょう。いざ! 男よ、立ち上がれ!! という感じ(笑)。ダーウィンなんて古くさいですが、まさに動物の進化形なのかも知れませんですな。

まぁ、そんな事を考えながら、近くをすれ違うと、その皮膚から「パチンパチン」という音が聞こえて来る、そんなはじける様な若さのおんなの子が、もう既に出かける前から気崩れている浴衣姿で(笑)、電車へと吸い込まれて行くのですが、そういうのを尻目に梅田に降り立ったのでした。ホント、梅田の駅は京都に向かう人たちで、まさにごった返してるって感じで、逆方向で良かった……と思いながら、御堂筋線で難波に向かったのでした。パチンパチン。

目的地はタワーレコード難波店の6F。今日は夜7時から、菊地成孔クインテット・ライヴ・ダブのインストア・ライヴがあったのでした。こういう場所には珍しく、ちゃんとドラムセットも、そしてグランド・ピアノもちゃんとセッティングしてあるのは、とっても意外。でも、こういう編成のバンドなので、よく考えなくったって当たり前ですね。

セット・リストは(多分……)。

  1. Parla
  2. You don't know what love is
  3. Elizabeth Taylor

メンバーの皆様、ピシッっとスーツで登場かな……と思ったら、そんな事はなくて、菊地さんなんかジャージ姿でアルトを吹いておりました(後の菊地さんのM.Cで、明日、明後日とライヴがあって着なくちゃいけないので、今日はスーツはヤメにしたのだとか)。でもカッコイイ。去年に見たフォルティ・タワーズではずっとソプラノ吹いてて、それがもの凄くかっこ良かった印象があるんですが、やっぱりアルトもカッコイイですね。メンバーは菊地成孔(Sax)坪口昌恭(Piano)菊地雅晃(Bass)藤井信雄(Drums)パードン木村(Live Dub)。敬称略。ボクはドラム側の方で見ていたので、どうしてもドラムを見てしまうので、実は半分以上ドラムの藤井さんばかり見ていました。ブラシかっこええなぁ……とか、アコースティック編成なのにヘッドフォンでクリック聴いてるのは、ディレイ・タイムと関係があるのかしら? とか思いながら聴いてたのです。M.Cも無く、立て続けに3曲を演奏の後、これはおなじみの終わり方と言っていいんでしょうね? 最後の「エリザベス・テーラー」のエンディングでドラム・ソロが始まって、それをバックに菊地さんがメンバー紹介をした後、ドラム以外はハケるというスタイル。なかなかカッコイイドラム・ソロでした。こんなライヴが無料で見られるなんて、とってもお得。

その後、菊地さんのサイン会などがあって、持って行ったアルバムにサインなどをしてもらって、握手もしてもらいましたです。しかし、いつ見ても菊地さんって、色々な意味でユニークな人だなぁと思ったです。

しかし、今年は西部講堂のライヴに行けなくて、本当に残念でした。このクインテットに全曲UAのヴォーカルが乗るなんて、聴いてみたかったなぁ………。



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