パザ日誌


2005年11月09日(水曜日)----すぎもと

桂吉朝さん

今、桂吉朝さんの『 地獄八景亡者戯 じごくばっけいもうじゃのたわむれ 』を聴いております。

さっき、シェーンベルクの『浄夜』を聴きながら、ネット巡回してましたら、このニュースに当たりました。上方落語屈指の実力派、桂吉朝さんが死去(asahi.com:おくやみ)。

もう愕然としました。ご病気だったのは存じ上げておりましたが、地下鉄の通路の市民寄席のポスターに吉朝さんの名前を見つけて、あぁ元気になりはったんやなぁ……と思っていた所だったのに。結局、生で吉朝さんの落語を聴く事は出来なかったのも非常に悔やまれる所です。

ボクが最初に吉朝さんを認識したのが、中島らもさんがやっていた劇団『リリパット・アーミー』でした。リリパットも舞台で観てなくて、テレビでやってた『桃天紅』という芝居でしたが。枝雀師匠がなくなって、らもさんが逝って、今度は吉朝さんとは……。これは落語界だけでなくて、本当に日本文化の大損失ですね。

今頃は枝雀師匠や中島らもさんと久しぶりの対面を果たして、楽しく語り合っているころでしょうか?

心よりご冥福をお祈りいたします。


2005年11月08日(火曜日)----すぎもと

こどものびぃる

よいこのびーる

酒飲みの家系に生まれながら、わたしだけ下戸のすぎもとです。

まったく飲めない訳じゃないのですが、頭痛持ちでもありますし、特に赤ワインは片頭痛を誘発しやすいので御法度でございます。チーズも。しかし考えてみると、ワイン好きな片頭痛持ちの人は辛いですなぁ。わたしは甘い物好きなのですが、チョコレートも頭痛を誘発しやすいというので、我慢の日々を送っております。

そういう訳でして、酒飲み気分でも味わってみようかと、近所のスーパーで見つけた『よいこのびぃる』なんて飲み物を買ってみました。

これは大阪のハタ鉱泉株式会社が作ってる、こどもだってプハーってしたい!というコピーが素敵な、まぁ言えばシャンメリーなノリのビールもどき、というか炭酸飲料ですね。

でも結構良く出来ていて、ちゃんとビール並みに泡もたつし、味もほのかにビールっぽい。遊び心満載なのに、実はかなり凝った、真剣に遊んでる感じが凄いと思わせるもので満足でした。ただ、そのせいかビール味と味のクオリティの両立で、開発の方は苦労されたんじゃないかな……というのがビシバシ感じられる気がします。いや、美味しいのは美味しいのですが、「美味しいビール味の炭酸飲料」なんて作ってみろと言われたら、これは大変ですわな。そういうのも含めてちゃんと美味しい、よいこのびぃるでございました。なにより楽しいので、ビール好きなお父さんはおこちゃまと一緒に乾杯なんていいんじゃないっすか?


2005年11月07日(月曜日)----すぎもと

残念……

今月に見に行くライヴの予定が3つくらいあったのですが、2つ行けなくなってしまいました。残念。行けるのは10日にCafe-Independantsである、知久寿焼さんと滝本晃司さんのライヴ。元たまの2人と言ってしまった方が分りやすいのですが、この2人は『2(ni)』というユニットで、インストをやっているのです。今回はこれのレコ発ライヴなのです。

ちょいと前に知久さんのライヴに行った時に、ライヴ前のS.Eでこの『2(ni)』の音楽が流れていて、かなり好みな感じだったので、これは是非行かねば! という事なのです。ちょっと聴いた感じの印象だけで言うと、『アコースティック・エレクトロニカ』っていう感じでしょうか? ちょっと矛盾しているのが好みな感じ。楽しみです。

その次の日曜日は荘園さんのライヴが京都北山のBBAであるという事で、行く予定だったのですが、急にのっぴきならない用事が出来てしまって断念です。残念。

それから、26、27日には西部講堂にてP-hour 05がありまして、27日の東京ザヴィヌルバッハ目当てで申し込みをしていたのですが、この日のライヴが中止になってしまいました(26日は予定通り開催されます)。

この日に出演予定だったDMBQが、アメリカ・ツアーの移動中に事故に遭われ、ドラマーのチャイナさんがお亡くなりになり、後のメンバーさんも怪我をされているそうです(日本での報道としましてはbounce.comの記事しか見つけられず、ちょっと歯がゆいです)。

そういう経緯から、主催者の方の決定で中止になったのですが、凄く楽しみにしていた東京ザヴィヌルバッハが見られないのは残念ですが、これくらいなんてことはないですよね。それよりも、チャイナさんの関係者の方々の心中を考えると、言葉もありません……。心よりご冥福をお祈りいたします。

東京ザヴィヌルバッハもそうですが、この日、チャイナさんのプレイも楽しみにしていただけに、本当に残念でなりません……。


2005年11月04日(金曜日)----すぎもと

P問題とK特集

ケンタッキー・フライドチキンをパクつきながら、ニュースで那賀川の『ナカちゃん』を見ておりました。徳島の那賀川町の那賀川に現れたというアザラシですが、数日前このニュースを見た時に「まさか『ナカちゃん』っていう名前で呼ばへんよな?」と思っていたら、本当に『ナカちゃん』になって笑ってしまいました。ちょっとは違う呼び方しようよ、徳島県民! せめて『ナカガワくん』くらいで呼んで欲しかったよ。そろそろ『ナカちゃん饅頭』とか出来てる頃ですかね(笑)。

今月実家に帰るかもしれないので、帰り道だし見に行ってみようかな(嘘)。

ま、それはいいとして、この前の水曜日放送の深夜FM番組Wanted!では、前半『パクり特集』っていうのをやっていて、何曲か似ている曲を紹介していました。

例えば、アンボーグ(En Vouge)の"Give It Up, Turn It Loose"が2曲のネタ元になっていて、小沢健二featuringスチャダラパーの『今夜はブギーバック』とドリカム『決戦の金曜日』という事。これはメロディのパクリというより、バックトラックのパクリですね。でもアイボーグをかけながら『今夜はブギーバック』とか『決戦の金曜日』が歌えるくらい進行が同じなのが凄いという例。

あとマリーナ・ショウの"You Taught Me How To Speak In Love"とサザン・オールスターズ『いとしのエリー』が似てるっていうのもありましたが、これはこの曲が入ってるマリーナ・ショウのアルバム"Who Is This Bitch, Anyway?"を持っているので、これ買って聴いてる時に「似てるなぁ……」と思った記憶があります。このアルバムの1曲目、カッコいいですよ。

でもやっぱり一番似てるのは、というかそのままなのはJoe Sampleの"Melodies of Love"(ネタ元)と坂本龍一の"the Sheltering Sky"。これは凄いですね。そのまま。これにシェーンベルクの『浄められた夜』をプラスして検証してるページ(「the Sheltering Sky」と「Melodies of Love」と「浄められた夜」について)もあります。これで教授は賞とってるんですね。

あ、教授といえば、6月に東京でシュトックハウゼンの『コンタクテ』を聴いたとき、会場に教授が来ていたそうです。気付かなかった……。あ、シュトックハウゼンといえば、この前のライヴの前にタワレコに行った時に、シュトックハウゼン・コーナーに『子供の歌』のトリビュート・アルバムみたいなのがあって、そのポップに『初来日で話題のシュトックハウゼン』みたいに書いてありましたけれど、いつの話ですか?

すっかり脱線しておりますが、オレンジレンジの『ロコローション』のクレジットを変えさせたのは、ネット世論の糾弾によってという事ですが、この辺りと『ノマネコ』問題の話も含めた話も興味深かったです。あえて詳しくは書きませんが(というか、自分の中で咀嚼出来てなくて上手く書けない)。Wanted!のblogに書き起こしがあったりします。

いや、そんな事より、番組後半で特集していたK-BlackやK-Hip Hopの特集が面白かった。韓国凄いなぁ。興味深い曲が盛りだくさん! メジャーでこれなら、アンダーグラウンドはどうなのか興味有ります。


2005年11月02日(水曜日)----すぎもと

コープス・ブライド

レイト・ショーでティム・バートンの『コープス・ブライド』を見て来ました。

最近睡眠不足で、ちょっと前に『チャーリーとチョコレート工場』を見に行った時には、面白くない訳じゃなかったにも関わらず、不覚にも寝てしまい、途中の記憶がまだらだったので、ひょっとしたら今日も寝てしまうのかな? という不安があったのですが、今回はまったく眠くならず、むしろ「え? もう終わり?」っていうくらいでした。

しかし、前の『チャーリーとチョコレート工場』を見た時もそうですが、こうなるとティム・バートンの映画なのか、それともダニー・エルフマンの映画なのか、分らなくなって来ますね(笑)。勿論『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』もそうですけれど。

まぁ、これだけ映画の中で歌がフューチャーされると、どうしても普通の映画音楽とは違って、音楽自体の主張も大きくなって来ますよね。『チャーリーとチョコレート工場』のサウンドトラックCDだって、半分は歌ものって感じですし、この『コープス・ブライド』のサントラだってそんな感じですよね。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』なんて、ほとんど全部が歌もののサントラですしね。しかも素晴らしい出来ですし。

しかも、ダニー・エルフマンが他の映画音楽作家と違うのは、自分が歌うという所ですね(笑)。こんなに映画音楽で自分が歌う作曲家って他に居ないでしょ? まぁ、もともとOingo Boingoっていうバンドのヴォーカリストだっていうのもありますけれど。

それから、この前に『ナイトメア』の中の曲のアレンジが、デューク・エリントンの曲の真似――これは意識的にやってるんだと思いますが――をしてる事を紹介しましたが、このやりかたもダニー・エルフマンらしい所かもしれませんですね。『チャーリー』のロック・ナンバーも、いかにも! っていうアレンジでしたし(あれはQueenっぽいんでしょうか?)。日本盤『チャーリー』のサントラのライナーを読んでると、サイケ調のラブ・ソングの方向で作ったとかいう発言をしているので、作る時には「何か」をイメージして作ってる事が多いのかもしれませんね。実際、今回の『コープス・ブライド』で出て来るピアノ曲は、もろにベートーヴェンのピアノ・ソナタ『月光』を意識しているのが分ります。こういうの、敢えて『月光』っていうネタ元が分って欲しくてそうしてるんじゃないか……という感じがしましたが、果たしてどうなのでしょうか?

いや、それにしてもティム・バートンとダニー・エルフマンのコンビは素晴らしいですね。ある種の「怪しさ」も含めて。ほんと、これからもこの路線で突っ走って欲しいです。

で、映画の方は『ナイトメア』以来のストップモーションという事ですが、更に表現は進化している感じで、例えば肌のやわらかさみたいなのが「CGじゃないの?」とかって思う程でした。パンフレットに制作現場の写真が少し載っているのですが、これをみると改めて凄さを感じました。『ナイトメア』みたいに、是非メイキングをDVDに収録して欲しいです。

あと、この世が暗くて、あの世が賑やかで明るいっていう作りも面白い所ですね。それから、主人公がティム・バートンの短編『ヴィンセント』のあの少年が大人になったイメージで作ってあるのも、『ヴィンセント』ファンとしては嬉しい所。しかも、この声がジョニー・デップで、これまたうまい! 本当にこの人は凄い人ですね。『チャーリー」のお茶目で本気なふざけっぷりも凄かったし。

ただ、こういうファンタジーぽいのに、「黒さ」や「エグさ」がある感じっていうのは、きっと好き嫌いがあると思うんですよね。マニア化、カルト化しそうなタイプですね。この映画はどうなんでしょうね。子供が喜んで見てるんでしょうか? 『ナイトメア』は公開中にはコケてるんですよね。何年もしてからフィギアから火がついたという経緯があります。でもその分『ナイトメア』ファンはこういうの好きな人でしょうから、そういう層には間違いなく受ける作品ではあると思いますが。

個人的には、あと何回も見たいと思う程、面白くて楽しくて、ちょっと切ない良い映画だと思いました。もちろんDVDも待ち遠しい!



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