パザ日誌

コラムというほど大袈裟でなく、日記というほど更新もできない。
ただ、pazapのメンバーが思ったことを書き綴るページです。


2002年3月31日(日曜日)----すぎもと

改編時期に思ふ

NHKスペシャルを見ました。中東問題の特集でした。

番組編成前のお決まりのしょーもない番組ばかりの民放と違って、ゴールデンにこういう番組を放送できるという所はNHKの良さですね。別にボクはNHKが全て良いと思ってる訳ではないですが、こういう局は必要だとは思います。

NHK嫌いの人はよく「あのなんでも商品名かくすのが嫌だ」と言いますが、それは民放もまったく同じです。例えばコカコーラが提供してる番組ではペプシは隠されるかモザイクが入ります。これは大事なスポンサーの利益の為で、民放はある何社かのスポンサーだけですが、NHKはその性格から国民ほとんどがスポンサーなのです。スポンサーに気を使うのは当然ですし、実際クレームの数はNHKはすごいらしいですね。たしかに気を使い過ぎな所はありました。今は昔程不自然には隠さなくなりましたが。逆に言えばNHKは特定のスポンサーではないので、普通にしてていいと思いますがねぇ。

しかし中東は今かなり緊張がピークに達してるような感じですね。イスラエル軍のパレスチナ自治区へ侵攻ですか。イスラエルのシャロン首相の「話し合いより武力で解決する」という政策は、今日のインタビューをうけてたパレスチナの少年の様なテロリストの卵を生んでるだけですよね。イスラエル軍の無差別な攻撃によって家を失ったその少年は「将来は銃をもってイスラエル人が殺したパレスチナ人の数だけ、イスラエル人を殺す」と言いました。平和ボケしているボクにはやっぱりショックでした。

しかしこの問題、なんで日本のテレビ局は特番を組んで放送しないんでしょうね? 911のテロの時やアメリカのアフガンへの報復が始まった時にはあれだけ騒いだのに、この問題は問題の大きさにしたら薄っぺらいニュース項目扱いですね。規模は違うにしろやってる事はアメリカの「テロリストへの報復」の時と一緒でしょう? それにあの911のテロだって根底にある問題はやっぱりここな訳じゃないですか。日本のテレビ局はやっぱり視聴率市場主義(イコールスポンサーさまさま)で日本国民の多くは何かのC.Mみたいに所詮「自分中心から自分の半径数メートルぐらいの平和」しか考えてないのですな。「世界が平和だから自分も平和」とは思えんか?豊かさとはなんと貧しきかな……。


2002年3月30日(土曜日)----すぎもと

ドラム録音(再び)

昨日は久しぶりのドラム道場。八月にある恒例の発表会の案内をもらいました。もうそんな季節なのですねぇ。一年なんて早いものです。

実はことしの出し物(?)は決まっているのです。といっても毎年発表会のためにオリジナル曲をギリギリでつくってるボクとしては、曲のアイデアが決まってるだけでまだ完成はしていないのですが……。それから曲のタイトルも一応決まってます。題して「Hell Ditty!」。あのザッパ師匠の超名曲"Black Page"に対する"Black Page#2"のような感じで、ドラム・コーの「Ditty」にメロディーを付けます。そして本編は実は歌もの。さぁどんな曲になるのか!!自分でも分かりませんが、一番心配なのは曲よりも「Ditty」のパートが叩けるかなのですが……。いざとなれば周りの音でごまかすという手もある(笑)。興味のある方は八月十一日川崎市梶ヶ谷プラザホールまで!!!

ちなみにこの「Hell Ditty!」というネーミングは、そう、ある有名なキャラクターのパクりです(笑)。

そして今週はpazapの練習がお休みと言う事で、長い事ほったらかしにしてるCD製作のためドラムの音を録り直しに行ってきました。
録音風景

前に録音した時はマイクのセティングを、オーバーヘッドのL-Rをタムに近付けて録音したのですが、案の定シンバルの音が弱くライドにいたってはほとんど聞こえない状態だったので、今回はボクの頭の真上からタムを狙ってみました。Fragileの「5」やドラマガの付録CDでの孝三先生のセッティングを参考にさせて頂きました。ただオンマイクの場合ならともかく、オフマイクの時はダイナミック・マイクよりコンデンサー・マイクの方がいいらしいのですが、なにぶんそこまでお金をかけることもできず、スタジオにあるのと持ち込みのとで四本ともSM-58で録りました。(それにどっちにしてもMTRにファントム電源がないしねぇ……涙)時間の関係で少々(?)ミスもありますけどそのまま勢いでいっときました。家に帰ってからProtoolsに取り込んでオケはだいたい終わり。後は歌録りをするのみです。MIDIの関係でちょっとズレがあるのでその修正に時間かかりそうです。Protoolsの本領発揮というところですかねぇ。


2002年3月29日(金曜日)----すぎもと

てきすと・ぶらうざぁ

昨日のアクセス・ログなどをつらつら眺めていたら、 Wanna-Beで訪れていただいた方がいらっしゃる!! わぉ、むっちゃ嬉しいではないですかッ!!!

ちなみに「Wanna-Be」とはMac用の「テキストブラウザー」でありまして、文字だけが表示されるブラウザーなのです。「Lynx」や「w3m」などと同じ感じですね。このネットインフラが進んでADSLやらFTTHやらブロードバンドやらと、一気にアメリカを追いこしたような感じになっておりますが、うちのADSL8Mでも画像がやたら多いサイトに行くと表示にかなり時間がくいます。まぁこれは当然の事で、LAN 内(100base/T)でのファイルコピーでも、圧縮して一つのファイルにしてあるのと一〇〇や二〇〇のファイルがつまったフォルダーでは、同じ容量のファイルでもコピーにかかる時間は物凄く違います(この二つをまったく同じに論じていいのかは実は自信がなかったりしますが……)。だから文章だけを読みたい場合には画像はものすごく邪魔なのですよね。そういう理由からぼくも一時MacOSXやLinuxでw3mを使ってた事があります。

それはそうと、うちのページはxhtmlなのではたしてWanna Beで読めるのだろうか?と思い試しに、久しぶりにWanna Beを使ってみました。すると、なんのなんの読めるではないですか! 頭に<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS">とかって出るのと文字実体参照が表示されないのがあったりしましたが、特に問題ない感じ。そしていつも巡回してる所なんかを見てまわったりしたらなんと表示の早いこと(当たり前ですが)。「外見よりも中身で勝負!」という方にはおすすめです。ただし「画像も中身!」という所も見られませんから、使い分けたらいいんですよねぇ。欲を言えばMacProxyを使わずに使えたら最高です。

参考
Rockie's Roomさん

2002年3月28日(木曜日)----すぎもと

ゲイ映画??

性転換手術に失敗したゲイが主人公の映画「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(ジョン・C・ミッチェル監督、ギャガ配給)に、女子高生が押しかける“春の珍事”が起きている。

ゲイ映画言わんといて欲しかったねぇ。この映画は関西では三十日から公開の「ロケンロー映画」です。

マドンナは楽曲の権利使用を申し入れ、デヴィッド・ボウイはグラミー賞をすっぽかして観劇。NYのオフ・ブロードウェイで2年以上に渡るロングランを記録したロック・ミュージカルが、舞台と同じく監督・脚本・主演ジョン・キャメロン・ミッチェルによってついに映画化された。

「HEDWIG AND THE ANGRYINCH」はサンダンス映画祭で「最優秀監督賞」と「最優秀観客賞」をダブル受賞もしてるし、R指定でもないのです。だからどうってことはないんですけど、もうチケットも手に入れていつ見に行こうかと考えてるものとしては、「ゲイ映画」と言われると感想をここで書きにくい(笑)。それにヒットするのは嬉しいけど、今ハヤリのシネコンでやるような映画じゃないだけに混まれると辛いんですよねぇ。

同じパターンでヒットした「 ロッキー・ホラー・ショー」と客層がダブルような感じの映画ですけど、(見る前からなんですが……)ロッキーみたいにカルト的な映画に比べるとフツーの映画のような気がしてます。だから「変態映画」みたいなニュアンスで言われると困るのです。まぁロッキーはそれだけ特殊な「変態映画」なのです(こう書くとよけいに誤解される。清く正しい変態なのに……笑)。映画館で客が全員で踊るような映画はもうなかなか出てこないでしょう。なお「ロッキー・ホラー・ショー」は毎月月末に大阪は九条にあるシネ・ヌーヴォー にて上映中!まだ体験してない方は是非!!


2002年3月28日(木曜日)----すぎもと

チェルシー

ボクはお菓子は結構(かなり?)好きなのだが、アメは自分から買ってまで食べようとは思わかったりする。しかし最近久しぶりに明治チェルシーを買って食べたらはまってしまって、ここ一週間ぐらい毎日なめている。口に入れた瞬間なんか懐かし感じがしたのは、中学生の頃にクラスではやった事があって、いつも鞄の中に入っていたからだ。今回ボクが買ったのは袋のやつで、三つの味がはいっているやつ。昔は「バタースカッチ」と「ヨーグルトスカッチ」しかなかったような気がするけど、最近は「イチゴミルク」味が増えたのか……。その「イチゴ味」も美味しいけど、やっぱり今までの方が美味しい。きっとこれは昔の記憶とか、その時の想い出とかが加味されているのかな?とにかくここ暫くは続きそう。

そうそう、昨日書いた「¥8万長者」は日曜日の朝十時からに変更になるみたい。終わるんじゃなくてホッとしたけど、日曜ってほとんど昼まで寝てる事が多いので見逃す可能性大なのだ。うーん、ヴィデオかな……。


2002年3月27日(水曜日)----すぎもと

走れスッカラ君!

この前「コーラ」を頼んだら「コロナ(ビール)」が出てきたなんて書いたけど、今日は自分でもやってしまった。急にチーズクラッカーが食べたくなって、 ナビスコプレミアムクラッカー を用意し、冷蔵庫からクリームチーズを持ってきて、クラッカーにぬろうとして気付く。「ゲッ!これバターやん!!」クリームチーズのくせにやけに固いなぁ、なんて思ったら……。なんか最近こんなん多いのよね。

それはそうと、今日で 毎日放送の夜中にやってる「¥8万長者」が終わってしまうのよねぇ。残念。貧乏な若者(スッカラ君と呼ぶ)に八万円を渡して五時間で使い切るという、実にシンプルなドキュメンタリーで面白かったのに。まぁ企画上ワンパターンになりがちなのはしょうがないけど(実際ビックカメラなんか毎週のようにでてくるし……)それにしてもスッカラ君の生活とか夢とか性格とかがよく浮き彫りにされて楽しめた番組だった。それに声だけ聞こえるスタッフの人とのやりとりも絶妙。おきまりのやりとりは……

スッカラ君「なんか食べますか?」

スタッフ「そんなん悪いわぁ」

スッカラ君「いえいえ、どうぞ」

スタッフ「そぉ、なんか催促したみたいやねぇ」

これが楽しみでっていうのはボクだけだったでしょうか?


2002年3月25日(月曜日)----すぎもと

「表示されない」の必要性

CSSを導入しようと思って色々と調べていた時、「display」という属性があって、その中に「none」という値がある。これは「表示されない」という値なのだが、この使い道がどうも分からなかった。例えばimg{display:none;}とすれば画像が指定してあっても、そこには表示されないのである。「そんなんやったら、初めから画像を指定せーへんかったらええやん!」とずーっと思っていたのだが、昨日とある日記サイトを見ていて謎が解けた。そのサイトはバリバリCSS使いな人なのだが、iCabで見るとまったくCSSが反影されない。(もちろんこれはiCab側が悪いのだが……)それでも内容がかなりすばらしいのでCSSなしでもいつも拝見していた。それを見ながら、「CSSなしでもこれぐらい、読みやすいページにせなあかんよなぁ」などと思った時フと気が付いた。そのサイト、IE(CSSあり)で見る時に無いモノがiCab(CSSなし)で見たらあるのだ。 それは何かというと「hr」。つまり区切りの「横罫線」というやつだ。
スタイル比較

そういえば前にそのサイトのスタイルシートを参考のために拝見したときに、確かにhr{display:none;}となっていたのを見た記憶がある。その時も「何のためにそんな事するんやろう??」と思っただけで、調べたりしなかったのだ。

試しにこの日誌のページを過去にもさかのぼって、hrを入れたり見出しを付けたりしてみたら、CSSなしで見た時にかなり見やすくなった。 書き換えは大変そうに思えても、 miの「正規表現の置き換え」を使ったらかなり楽にできた。フリーなのがもったいないくらいホントに良いツールだねぇ。作者さんに感謝!!(文中の画像はうちのページをCSSありとCSSなしで見たもの。違いが分かるでしょう?)。ほんとにCSSって奥が深いなぁ。まだまだ勉強が足りんです、ハイ。


2002年3月24日(日曜日)----すぎもと

チャド・ワッカーマン

昨日はpazapの練習だった。おぼろげながら次回のライヴの感じがつかめて来たような気がした。だいたいの曲順や細かいアレンジについて練習が終わってからも二時間ぐらいみんなで考えた。実はこういう話しあいがすごく大事なのだと、今頃というか改めてというかしみじみ感じた。これはやっぱりライヴという目標ができたのが一番大きいとすれば、やっぱりバンドってライヴして成長するというか、ライウ゛をしてないとダメなんだということなのね。いや、「音楽で表現する」と言う事はイコール「ライヴ」なのかも。CDなんかでいくらうまいことやっても所詮作り物みたいな気がするし、「ただその時の記録」以上ではない。何回聴いても同じやもんね。

そのスタジオに貼ってあった RAGのチラシをみると、 アランホールズワースが来るみたい。ドラムは誰かな?とふと目をやるとなんと チャド・ワッカーマン!!! あらら、こりゃ信仰上の理由で出席決定かな。なんせあの Frank Zappa 大先生の門下生ではありませぬか!! ソロアルバムも何枚か持ってて気に入ってるし、まさかRAGで、しかも目の前で見られるとは!

ボクのお気に入りのチャドのプレイは一九八八年のいわゆる「ベストバンド」とZappaみずからが認めたバンドでのライヴアルバムだ。
zappa's album

「The Best Band You Never Heard In Your Life」「Make A Jazz Noise Here」それから「Broadway The Hardway」の三作品。合計五枚(七十曲)のこのライヴアルバムが実は同じツアーからのピックアップっていうのは凄すぎる。超一流のミュージシャンが1日8時間、何か月もかけてリハーサルをするにしても圧倒される完成度。生で体験したかったものだ。せめてこのツアーに参加したチャド・ワッカーマンの演奏から、今は亡きZappa師匠を垣間みる事が出来るかも。そういう意味での7000円は安いものだ(……と自分に言い聞かせる)。

勿論チャド・ワッカーマンは個人としても素晴らしいドラマーには違いない。最近は テリー・ボジオとツアーをしてZappaの名曲「Black Page」を演奏したとか。これはヴィデオとして発売中だが、まだ手に入れて無い。しかも同じ七〇〇〇円。ん〜、やっぱり生でしょ!!


2002年3月23日(土曜日)----すぎもと

コーラ!

昨日の日誌を見てさっそく「磯臭〜い所」(謎)にある某スーパーの店員さんからクレームがありました。わざわざありがとう。毎日あの曲を聞きながら仕事とは、お見舞い申し上げます。はっはっは。

さて、昨日は大阪のクラブイヴェントに行ってきました。大阪に着いてまずは軽く 吉野屋へ。支払いの時に五千円札を出すと、「二千円さつが入ってもよろしいですか?」と聞かれました。断る理由もないのでありがたく頂きましたが、例えば一万円札で何か買って「五千円札入ってもよろしいですか?」とは聞かれませんよね?この二千円札ってつくづく不憫なヤツだと思いました。

さて、目的のイヴェントの方は映画の公開パーティーだったのですが、酒の宣伝イヴェントか? というような感じでちょっとヤな感じでしたね。客の目の前でズーっと名刺交換が続くとかなりシラけます。それから終電に間に合わない時間に終わるので車で行ったんですけど、ドリンク頼むとき「コーラ」って言ったら店員さんが何やら透明の液体が入った瓶を開けだしまして、「あれ?透明のコーラがあるのかな?」と思った瞬間ライムを入れられてしまいました(笑)。そう、「コーラ」じゃなくてそりゃ「コロナ(ビール)」やん。


2002年3月22日(金曜日)----すぎもと

まわるまわる

大手のスーパーとか行けばかかってる曲ってあるでしょう?ボクはあの手の曲が嫌いなのです。何故なら頭の中で回るから。特に嫌いな歌ほど回るからタチが悪いですね。「嫌いだ」というからには、ほんとは好きなのかも知れませんがボクは信じたくありません(あのマザーテレサの名文句がありますよね。 「愛の反対は憎しみではなく無関心です」というやつ。ということは好きと嫌いは同じグループで、無関心はその反対でしょう。この時だけは信じたくないです)。

今の季節だと入学ということで「どっきどきの一年生」なんていうのがヘビーローテーションされてますね。これはまだ期間限定なのでいいのですが、一年中ボクを悩ませるのが魚売り場。そうです、あの「さかなさかなさかな〜、さかなをたべると〜」というやつ。もうだめです。ス−パ−出た後でも、ひどい時には次の日まで油断したら「あたまあたまあたま〜、あたまがよくなる〜」なんて口ずさんでしまいます。嫌いやっちゅうねん。そして今日こんな記事見つけました。

主婦やサラリーマンらの間でひそかなブームとなっているお魚ソング「おさかな天国」=写真=が20日、発売された。初回10万枚が完売したほか、追加注文が15万枚と初日だけで25万枚が売れる好調な滑り出し。発売元のポニーキャニオンでは、「『およげ!たいやきくん』『だんご3兄弟』に迫れれば」とメガヒットに期待を寄せている。

うっそぉ。なんで今頃そんな曲やねん。そんなん売れたらラジオとかでもかかるやん! スーパーだけじゃなくって街中できかされるの? しかも今までかけて無かった魚屋でもかけだすやん!! 世の中まさに地獄です……トホホ。


2002年3月21日(木曜日)----すぎもと

優しさとは強さです

昨日うつらうつらとしながらコタツに入って、テレビなどを見てると野村萬斎さんが出ていた。おぉ、「エイスケ」さんや……。この人何歳なんやろ……?と思いながら寝てしまった。「エイスケ」というのは、五年程前にNHKの朝ドラで「あぐり」というドラマがあって、その「エイスケ」役として野村萬斎さんが出ていたのだ。この役がかなり印象的な役だったので、ボクの中では「野村萬斎=エイスケ」になってしまっている。この「あぐり」というドラマはかなり心に残るドラマだった。女優の吉行和子さんのお母さん、吉行あぐりさん原作のドラマ化で、あぐりさん自身の実話を基にした作品だ。

中でもボクが一番印象的だった台詞がある。小説家エイスケが東京に出てきて、良い作品が書けずに悩んでいた。ある日縁側で空を見ていたエイスケがあぐりに言う。

「あの雲はどこに流れていくのかな。」

それに対してあぐりが答える。

「さぁ、それは、風が決めることだから……。」

これは素晴らしい名台詞だった。あぐりを見終えてから出勤するのが日課だったボクは、しばらくシビれて動けなかった。イヤほんま。

この言葉は「諦め」でも「責任転嫁」でもない。結局ちっぽけな人間なんて、何してもどんなに頑張っても逆らえないものがあるのだ。最後の最後は「風が決めること」なんだと分かるヒトは強い。そういう事を何気なく言ってのけたあぐりは本当に強いヒトなんだろうなぁ。逆に「オレは自分の力で流れてるんだ!」なんて言うヒトがいるけど、そういうヒト哀れだよね。出来ないヒトは「そいつの努力が足りないからだ」と言わんばかりで認められない。世の中いくら努力してもうまく行かないことのほうが多いのよ。あんたが上手くいったのは運が良かっただけ。逆に上手く行かなかったのは「運が悪かっただけ」なのよ。最終的には「風が決めること」であんたの努力だけじゃないのよ。

誰に言ってんだろ……?

とにかく、それ以来ボクのモットーは「初めから気紛れな風に任せること」。そんな生き方が出来れば優しいヒトに成れるかもね。



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